生産者インタビュー⑤│【三宅島】東大を卒業して島の漁師に…西田圭志さん
※本コラムの内容は、令和6年5月現在のものです。
日頃、アンテナショップ東京愛らんどに商品を卸してくださっている生産者の方を取材する「生産者インタビュー」。今回は趣向を変え、私たちの食を支えている漁師の方にお話を伺いました。
なぜ三宅島の漁師として漁業をしていこうと考えたのか、これからも持続していく漁業のあり方とは?
普段私たちがなかなか知ることのできない生産者の苦労や努力が垣間見れるコラムとなっています。
ぜひ島で暮らす生産者の息遣いを感じてみてください。
■三宅島漁業組合 西田圭志さん
―今日も漁に行かれていたんですか?
はい。今日も行ってきました!今日はカツオが少し釣れました。
自分の水揚げ作業は終わったので、漁師仲間の水揚げ作業を手伝っていました。
―この後も何か作業はあるんですか?
仲間の漁師が船を陸に揚げるのでそれを手伝います!結構人手がいるんですよ。
―そうなんですね!どうして陸に揚げるんですか?
船の定期的なメンテナンスのためです。大体月に1回くらいのペースでやります。
※インタビュー後に船の陸揚げの様子を特別に見学させていただきました。
この日は漁終わりの漁師さん10人ほどで陸揚げ。
船にワイヤーを結んだ後ゆっくりと引き揚げ、決められた場所に丈夫なロープで固定します。
引き揚げられた漁船は迫力満点!普段海の中で見えない船底も見ることができました。
―漁師になったきっかけは何ですか?
もともと海が好きで、東京大学で海の生き物を研究する学部に入りました。
講義の中で実際の漁業を体験する実習があって、そこでたくさん魚を獲れたことが楽しくて漁師を目指したのがきっかけです。
将来的には自分の船を持って漁をしたいと考えていたんですが、漁業体験の中で初めて三宅島を訪れた際に、三宅島で漁師になればその夢を叶えられると思い、三宅島の漁師になりました。
―漁のどんなところが好きですか?
どの魚の漁も好きですが、カツオ漁が好きです!
カツオは浅いところにいるのでエサを撒くとそこに集まってきます。逃げたエサ (カツオ)を追いかけて鳥も集まってくるので、その鳥を目印にして獲っていくんです。そこがいかにも「漁をしているぞ!」という感じがして分かりやすいので好きです!
―漁師としてやりがいを感じるのはどういう時ですか?
魚がたくさん獲れた時ももちろん嬉しいですが、「こうすればもっと釣れるかもしれない」という
工夫を自分で考えて、漁に出たときに実際に結果につながった時は嬉しいですね!
―実際にどんな工夫をされているんですか?
例えばキンメダイを釣るときって潮の流れを計算しないといけないんですが、深海400メートル
ぐらいのところを探すのでどんどん流されていくんです。
その計算をするためのアプリを自分で作ってみて漁に実際に導入しています。
計算がとても楽になったので、うまくいったかなと思っています。
―三宅島の魚は他で獲れるものとどんなところが違いますか?
獲る魚は伊豆のあたりと八丈島の中間ぐらいのものです。伊豆のあたりではとても脂が乗っている んですが、八丈島ぐらいまで南に行くと脂が抜けたキンメダイになります。
三宅島ではその間くらいのものが獲れます。くどくなくて刺身にも煮つけにもちょうどいいんです!
※この日の夕食にホテルでキンメダイの煮つけを頂きました。脂乗りがほどよく、身もしっかりしていておいしかったです!
三宅島での観光についてはこちらをご覧ください!
―西田さんの考える「今の漁業の課題」は何ですか?
魚について消費者になかなか興味を持ってもらいにくいことが課題かなと考えています。
例えば、同じ魚を獲るといっても色々な漁法があるんです。その中には環境に悪い漁法だったり、魚が傷みやすい漁法もあったりするので、海に優しい漁法で獲られたものを選んで買ってもらえるような仕組みに変わっていけばいいなと考えています。
実はどこでその魚が釣れたかという情報も結構重要なんです。
例えば同じキンメダイでも獲る漁場によって全然味わいが変わるんですが、お店に並ぶ時には釣れた場所ではなくて水揚げされた港が表に出る ので全て同じところのキンメダイということになってしまいます。
しかし、漁師は他の地域の漁師が来て漁場が混んでしまうと自分たちが釣れなくなってしまうので、自分たちが知っている漁場やたくさん獲れる漁法をあまり教えたがらないんです。
そういったこともあるのでなかなか難しいですが、どこで、誰が、どんな釣り方で獲った魚なのかという情報をオープンにしていってもっと環境や海、魚について興味を持ってもらいたいです。
―最後にひとことメッセージをお願いします!
三宅島は火山でできた島なので、他にはない独特な魅力がある島だと思っています。
海も大好きですが、「コシキの穴」という昔の火口に入れるところが好きです。
ぐるっと山に囲まれて静かな公園です。
島の人も良い意味で“お節介”。距離が近くて変わったことがあれば気にしてくれる。そんな島です。
アンテナショップ『東京愛らんど』では、三宅島の海産物として、島で獲れた海苔「はんば海苔」を販売しております。
磯の香りや風味、食感、うま味のある味わいが特徴で、ごはんに混ぜて食べる“はんばご飯”やかき揚げにして食べるのがおすすめです!ぜひ店頭にてお買い求めください!
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<店舗情報>
電話番号:03-5472-6559
店舗住所:〒105-0022 東京都港区海岸1-12-2竹芝客船ターミナル内
営業時間:平日10:00 〜 18:00、土日祝 10:00 〜 20:00
※時期により営業時間が変わりますので、お知らせをご確認ください
その他 :各種カード / 電子マネー決済 対応可、電子しまぽ使用可能、無料Wi-Fiあり
注意事項:カフェの営業は終了しております。当店専用の駐車場はありません。
※三宅島『いきいきお魚センター』では島で獲れた鮮魚や干物、野菜などを販売しています。
<いきいきお魚センター 店舗情報>
電話番号:04994-5-0019
店舗住所:東京都三宅村阿古680
営業時間: 10:00~15:00
定 休 日:火曜日
東京愛らんど公式YouTubeでは、金目鯛の下処理やクッキング動画を公開しています。
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